ORASの世界観
皆さんがORASで一番記憶に残っているのは、どのシーンですか?
XYに続き、この作品にもメガシンカに関する伏線がたくさんあります!
前回はXYのメガシンカにキリスト教モチーフがあって、次の構造があるとお伝えしました。

メガシンカ…神の力
アルセウス…神様
ルカリオ …天使
⇒天使が神の力を伝えた物語(神→天使→人)
今回はORASにも同じ構造があるのか?を検証します!!
同じ構造が再現されていたら、「意図的な設計」だと考えやすいですよね?
結論だけ先に言うと・・・・
ORASも同じ構造になっています!!!
ただし、中身が少し違うんです。
レックウザには天使要素がないので、XYとは別の視点が必要になります。
今回はどんな世界観が見えるのか、メガシンカの新解釈をお楽しみください!
(※解釈の一つであり、公式設定を断定するものではございません)

ヒガナという名前
ORASのメガシンカを語る上で欠かせないのが『ヒガナ』です。
メガシンカの伝承者で、パラレルワールドの存在を明かしました。

エピソードデルタの中心人物であるヒガナには、『仏教要素』があるのをご存じですか?
シガナという人物と離れ離れになっていますが、名前が仏教用語の『彼岸と此岸』(ひがんとしがん)になっています。

◆彼岸と此岸とは
仏教における、三途の川を挟んだ二つの世界を指す言葉。
彼岸・・・悟りを開いた仏様の世界(あの世)
此岸・・・煩悩に満ちた現実世界(この世)
パラレルワールドを伝えるキャラにぴったりな名前ですよね。
『レックウザを現世に召喚し』ってセリフも、彼岸と此岸(この世とあの世)の表現に聞こえます。

さらに――
英語名がZinnia(ヒガナ)とAster(シガナ)で、どちらも名前が『仏花』になっているんです!
◆仏花とは
仏壇に供え、先祖や仏様への感謝を表すお花。
zinnia・・・キク科ヒャクニチソウ属の花
aster ・・・キク科シオン属の花
これらの情報から、ヒガナは仏教要素を持ったキャラだと分かります。
XYのキリスト教モチーフに対し、ORASの中心には仏教要素。
では、ヒガナが追いかける『レックウザ』はどうでしょう?
レックウザと龍の関係
レックウザの見た目は仏教の法を護る『龍』がモチーフです。
龍には仏の慈悲を地上に届ける媒介役としての一面があります。
元々は中国に起源がありまして、
仏教が中国へ伝わった際に、龍が仏教へ組み込まれて日本に伝わりました。


専用技『ガリョウテンセイ』は、中国の四字熟語『画竜点睛』が由来だと考えられます。
これは仏教の寺院に龍の絵を描く逸話から誕生した言葉とも言われています。
つまり、レックウザにも『仏教』要素があるんです!
ヒガナとレックウザ――。
メガシンカの起源を描く作品の中心に、『仏教』が存在する。
メガシンカと共に描かれるキリスト教(XY)と仏教(ORAS)・・・・
皆さんも感じたのではないでしょうか?
メガシンカには宗教をモチーフにした側面があるのかも!!
人の祈りが関係する点も宗教的モチーフの現れだと感じます。

――ここで面白いのが、ルカリオとレックウザのモチーフ。
カロスでは天使ルカリオ、ホウエンでは龍レックウザがメガシンカを伝えました。
天使・・・神の意思や力を人に伝える存在
龍 ・・・仏の慈悲を地上に届ける存在
神仏と人間を繋ぐ存在(天と地を繋ぐ存在)が、メガシンカの起源になっています!
しかも――
その土地の宗教観に合わせて、天使や龍といった媒介する存在も使い分けている!
この観点からも、メガシンカが神(仏)の力だと考えられます。
では、神として君臨するアルセウスの様に、仏にあたるポケモンも存在するのでしょうか?
ORASのメガシンカには、そのポケモンの力が関与していると考えることができます。
ポケモン世界の仏とは
仏教要素を持ったポケモンはいるけど、仏様をモチーフにした存在は難しいですよね。
皆さんは思い浮かぶポケモンがいますか?
私は一匹だけ、思い当たります。
それが――
アルセウス

また!?って感じますよね(笑)
でも思い出してください。
ORASの目玉であるレックウザは、『隕石』の力でメガシンカをしました。
流星の民の壁画を見ると、隕石にメガシンカのマークが刻まれています。

隕石は宇宙から飛来する石であり、そこに宿るエネルギーによってメガシンカが発現すると考えられます。
その場合、エネルギーの根源となるのは、宇宙を創造したアルセウスの力だと推測できるのです。
つまり――
『アルセウスが創造した宇宙エネルギー(隕石)を得て、レックウザがメガシンカしている』という仮説です。
では、仏様にあたるポケモンの第一候補に『アルセウス』を置いてみましょう。
すると、図鑑説明から面白い発見が得られます!

注目したいのが――『1000ぼんのうで』
このワードから真っ先に連想できるのは、仏教の『千手観音』です。
1000本単位の腕を持つ神仏として、日本で最も連想しやすい存在でしょう。
ホウエン地方が日本であることを考えれば、仏教の千手観音として解釈するのが自然と言えます。
・レックウザは仏教に関連する龍がモチーフ
・レックウザは隕石(宇宙由来のエネルギー)でメガシンカ
・宇宙を創造したのがアルセウス
・ORASの中心に仏教要素あり
・アルセウスに千手観音に似た設定あり
これらの情報から、アルセウスは仏様としても機能し得る存在だと考えました。
信仰の違いに合わせて神とも仏とも見れる存在なのかもしれません。
作品の中心に仏教要素があることにも繋がりますし、次の様な図が見えてきます。

これが第6世代に共通する『宗教要素』です。
ルカリオとレックウザが起源である設定に意味が生まれませんか?
同じ構造が見えることで、XY編でお伝えしたルカリオ天使説や、メガシンカの根源がアルセウス説に信ぴょう性が出てきたのではないでしょうか?
ちなみにアルセウスとメガシンカの直接的な関係は別の記事で示そうと思っています。
次はレックウザがメガストーン不要な理由やゲンシカイキの謎について考えてみましょう。
メガストーンがいらない理由
ホウエン伝説のメガシンカって少し特殊ですよね?
レックウザはメガストーン不要で自力メガシンカが可能ですし、
グラードン・カイオーガは自然エネルギーを使った『ゲンシカイキ』をします。


なぜホウエンのメガシンカには、この様な特殊設定があるのでしょうか?
実はこの設定も、『仏教的な世界観に合わせた演出』だと解釈すれば綺麗にまとまります。
まずはレックウザ――。
通常は必須アイテムであるメガストーンが不要です。
ミカド器官を使って自力でメガシンカエネルギーを生成する設定は、仏教の『悟り』に近いです。
前回記事のように、XYメガシンカを「神の力」として読むなら、メガストーンはその力を受け取るための媒介――
つまり『神の加護を受ける』装置のように見えます。

通常はメガストーンを介して外部から与えられる力なのに対し、仏教は修行を通じて、『自ら悟りに到達する』考え方です。
自らが高みに至る仏教的な価値観が『自力でメガシンカする』という演出になっているとも解釈できます。
続いてゲンシカイキについて――。

XYのメガシンカには『ポケモンの生体エネルギー』が関係していると言われています。
これに対し、ゲンシカイキは『自然エネルギー』でした。
仏教の自然観では、生物も自然の一部と言います。
個体の生命力ではなく、世界に満ちる自然の力を進化の源とするゲンシカイキは、仏教的な世界観と親和的だと考えられます。
ヒガナが示す日本の宗教観
これまでずっと仏教について触れてきましたが、実はヒガナには『神道』の要素もあります。
物語の中心は仏教ですが、日本が神仏習合なので、神道の要素も入っているのでしょう。
(神仏習合…神道と仏教が融合した日本独自の宗教観のこと)
こちらのセリフに注目です。


『御霊』とは、神様や先祖の魂を指す神道の言葉です。
ここではキーストーンに込められた人の生体エネルギーを『御霊』と表現していると思います。
そして、神道における龍も神の使いとして、人と神を繋ぐ役割なんです。
また地域によっては龍自体を神として祀る場合があります。

流星の民は後者にあたりますね。
レックウザを神ととらえた場合、ヒガナがレックウザを降臨させる行為は神道の『神降ろし』に似ています。
神道では巫女(みこ)または巫(かんなぎ)が、神を人間の世界に呼び寄せ、神のお告げを人々に伝えていました。
神レックウザを現世に呼び寄せる、神レックウザの救いを人々に伝える(伝承者)。
それを行う方法と力を有した選ばれし存在こそ、流星の民の伝承者なのでしょう。
これらすべてに巫女的な要素が感じられます。


名前やシガナと離れているキャラ設定などには『仏教』的要素、レックウザを呼ぶ行為には『神道』的な要素が混在しているのが、ヒガナというキャラクターだと解釈できます。
まさに『神仏習合』――
日本の宗教観を表現した存在こそが『ヒガナ』であり、メガシンカという装置を使って『神仏と人間の繋がり』を描いた作品がORASであると考えられます。
ただし、龍を中心に添えている点から、仏教色の方が強い作品だと感じました。神道は日本の宗教観を表す補助的な扱いに感じます。
『メガシンカと宗教』の関係が第6世代で描かれているなら、新たなメガシンカ作品『LEGENDS Z-A』ではどうなっているのでしょうか?
次回はZが付くメガシンカの正体に迫ります!


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