③ZAで見えたメガシンカの伝達構造 なぜDLCの中心はフーパなのか

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前回までのおさらい

前回・前々回で、メガシンカの起源には共通した『伝達構造』があることを考察しました。

XYORAS
モチーフキリスト教仏教
力の根源神(アルセウス)仏(アルセウス)
伝達者天使(ルカリオ)龍(レックウザ)
構造神→天使→人仏→龍→人

メガシンカを人間へ伝えたポケモンも、それぞれの作品が描く宗教観に合わせて選ばれているように見えます。

では、最新作『LEGENDS Z-A』はどうでしょう?

暴走メガシンカから分かること

私はこれまで、『メガシンカが人間に伝わった瞬間』をメガシンカの起源として扱ってきました。
ルカリオやレックウザの事例がそれに該当します。

その視点で振り返ると、
ZA本編には新たな起源が描かれなかったように思います。

XYとZAはどちらもカロス地方が舞台。
メガシンカの起源がどちらもルカリオなんです。

だからXYと同様に、ZA主人公の初メガシンカもルカリオでした。
※ゲームの設定上だけでなく、ゲームをプレイする我々(人間)への伝達も、ルカリオが担っています

ZA告知Trailerでも、メガシンカシーンはルカリオから始まりましたし、Zと名の付くメガシンカもルカリオで告知されました。
今作では、メガシンカとルカリオの関係性がかなり強調されたように思います。

そして、新たな起源が描かれなかった一方で、『新たな要素』は出てきました。

それが――暴走メガシンカ
野生のポケモンがメガシンカするという、これまでになかった現象です。
人間を介さないため、前述したメガシンカの起源とは異なることが分かります。

実は、この現象にも非常に興味深い構造が見られます。
はじめに注目すべき点は、暴走メガシンカの原因となっていた装置が『アンジュ』という名前だったこと。

アンジュ(Ange)とは、フランス語で『天使』を意味します。
そして、最終兵器を使ったAZは『破壊の神』になっていました。

神と天使・・・
なんだか見た並びですよね??

AZはメガエネルギーを生み出し、ポケモンへ伝達する装置を作りました。
つまり――

AZ(神)→ アンジュ(天使)→ ポケモン

という力の伝達構造が見えてくるんです。
これはXYのメガシンカ伝達構造に似ています。

アルセウス(神)→ ルカリオ(天使)→ 人間

神格化された存在から、『天使』を介して力を伝える構造はXYと共通なんです
アルセウスとメガシンカの関係を示すのは次の記事になりますが、メガシンカと神格化された存在の関連性は見えてくるのではないでしょうか?
次は追加コンテンツの『M次元ラッシュ』に注目します。

異次元ミアレと新たなモチーフ

ZAに新たな起源は描かれませんでしたが、M次元ラッシュはどうでしょう?

物語の舞台は、カロス地方ではない『異次元ミアレ』――
舞台が異なるため、ORASのように別の文化圏を描く余地が生まれます。
つまり、新たな起源が描かれる可能性があるのです。

そして、実際M次元ラッシュにも、ある『宗教モチーフ』が見られます。

では、どんなモチーフなのか?
今回注目するのは、物語の起点となる最重要ポケモン――『フーパ』です!

作品を象徴する存在であり、物語を進める上で欠かせないポケモンでした。
異次元ミアレと現実世界を繋ぐ能力が特徴です。

出典:ポケットモンスターオフィシャルサイト
https://www.pokemon.co.jp/ex/legends_z-a_dlc/ja/features/251106_01/

実はこの特徴は、アラブ世界に伝わる精霊『ジン』にそっくりなんです。

簡単に説明すると、ディズニー作品のアラジンに登場する『ジーニー』のような存在です。
壺やランプに封印されたり、割と際限なく願いを実現できたり、フーパに通ずるところがありませんか?

ジンは、人間とは別の異空間に住みながら、現実世界にも干渉できると考えられています。
SFやファンタジー作品では、別次元と現実を繋ぐ存在として描かれることが多く、フーパもこれに当たるでしょう。

アラブ世界で誕生したイスラム教の聖典には、『アル=ジン』という、ジンを扱った章があります。
精霊ジンと言えば、アラブ世界やイスラム教圏で信仰される存在なのです。

出典:ポケモン映画公式サイト
https://www.pokemon-movie.jp/history/history2015/

フーパ映画の監督をされた湯山邦彦氏も、舞台設定をドバイにしたとインタビューで語っていました。
(ドバイは中東でアラブ世界の都市)

つまり、M次元ラッシュの中心には、アラブ世界・イスラム教圏をモチーフにしたポケモンが配置されています。
『異次元ミアレ』という舞台も、ジンの特徴が活かせるイスラム教圏の要素であると考える事が出来るのです。

キリスト教・仏教・イスラム教で世界三大宗教になりますし、新たな起源の予感がしてきますよね。
XYパルファム宮殿のフーパイベントでは、『砂漠のオアシス』がフーパの住処だと説明されていました。
この特徴も、やはりアラブ世界やイスラム教圏のイメージですよね。

M次元ラッシュの中心にイスラム教圏。これが重要になります。

Zと名の付くメガシンカについて

皆さん、『Zと名の付くメガシンカ』の追加発表がどの様に行われたか覚えてますか?(以下よりZメガシンカ)
M次元ラッシュにて登場した新たなメガシンカであり、新要素の中ではかなり目玉と言えるでしょう。

答えは――
M次元ラッシュの告知Trailerにて、メガルカリオZと共に発表されました。

出典:ポケットモンスターオフィシャルサイト
https://www.pokemon.co.jp/ex/legends_z-a_dlc/ja/pokemon/251202_01/

私はルカリオを使って新しいメガシンカを告知したことに、大きな意味があると考えています。
なぜなら、ルカリオにも『イスラム教要素』があるからです。

XY編の記事で、ルカリオには「ミカエルとガブリエル」という天使が関連していると述べました。
特にガブリエルは、以下の点で関連が強いと考察します。

 ①キリストの誕生を伝えた逸話がメガシンカを伝えた設定と重なる
 ②カタ・ルカ・エヴァンゲリオン(ルカの福音書)に登場する天使である
 ③マスタータワーでガブリエルの塔が強調して描かれている

ここに一つ、ガブリエルに関する情報を④として追加させてください。

④イスラム教はガブリエルが人間に神の言葉を伝えたことが始まり

そう―――
ガブリエルは、イスラム教でも『神の言葉を人間に伝えた天使』なんです。

新たなメガシンカの告知(人間への伝達)に、再び天使ルカリオが採用されたのは、この作品から『イスラム教モチーフ』が加わったからだと考えられます。

キリスト教モチーフとイスラム教モチーフの両作品で、人間への伝達役を担った。
これはやはり、ルカリオとガブリエルに繋がりがあるからだと考えられます。

現時点では発表されていない『アラブ世界やイスラム教圏モチーフの地方』があり、そこで発生したメガシンカもルカリオが伝えた――
そんな妄想が出来るほどに、Zメガシンカの告知は面白い演出になっているんです。

フーパとアルセウス

フーパ映画では、2種類のフーパの姿が描かれました。

出典:ポケットモンスターオフィシャルサイト
https://www.pokemon.co.jp/tv_movie/movie/2015/

ときはなたれしフーパは、能力を乱用してしまい、人々を困らせてしまいます。
そのため、フーパの力が壺に封印されていました。

ここで質問です。
暴走したフーパの力を抑える方法って覚えてますか??

映画を観ていない方も多いと思いますが、『人間がアルセウスから授けられた力』で封印や制御をしていました。
実はこの映画、アルセウスが物語に大きく関わるんです!

出典:ポケットモンスターオフィシャルサイト
https://www.pokemon.co.jp/tv_movie/movie/2015/

フーパの暴走を制御するのが『アルセウスの力』――
この設定、実はめちゃくちゃ面白くて。

映画の舞台設定やフーパ自体にアラブ世界・イスラム教圏の要素がありましたが、
この土地における信仰の対象もアルセウスなんです!

M次元ラッシュでイスラム教モチーフが描かれたなら、やはり力の根源はアルセウスだと考えられます。
その力を伝える天使(ルカリオ)もしっかりイスラム教モチーフに適合。
XYやORASと同じ伝達構造が成立する訳です。

神(アルセウス) ⇒ 天使(メガルカリオZ) ⇒ 人間
つまり、これまでのメガシンカ作品の構造を整理すると、次の図になります!

メガルカリオZは起源である説明がされていませんが、すべての作品で同じ構造が見れるのではないでしょうか?
M次元ラッシュの伝達構造は飛躍を感じても、一つの解釈として楽しんでいただけますと幸いです。

次の記事は『アルセウスとメガシンカの直接的な関係』を示します。

現在は考察の全体像を見せるために、かなり説明を省いているのですが、、、
もっとこれまでの考察を裏付ける情報がたくさんあります!
次のアルセウス記事を出した後は、そういう情報をひたすら記事にしていきます。お楽しみに!

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